すうけいの神社崇敬会ブログ

すべての神社に崇敬会を。初穂料でも玉串料でもない、神社ファンディング「すうけい」一般社団法人 神社崇敬会の活動報告。

スマホで神事に参加する「おおはらえ」2年間の歩みと2017夏の集計結果について

f:id:kocb:20170824151749p:plain

神社崇敬会の秀島です。

スマホから罪や穢を送信するWebサービス「おおはらえ2017夏」は、みなさまのご協力をいただき無事受付を終えることができました。おおはらえの歴史を振り返ると、初回の「おおはらえ」は2015年夏に開催し、同年12月に年越おおはらえを開催した後に一時サービスを休止し、それから約2年ぶりのサービス再開ということになりましたが、今回も沢山の方にサービスをご利用を頂くことができ、再開してよかったと嬉しい気持ちでいっぱいです。ここで、毎回行っている「おおはらえ」の集計結果をご報告しようと思います。

 

「おおはらえ」のこれまでの歩み

「おおはらえ」は2015年の8月に初回の開催をしました。リリース時にはテレビや新聞やネットニュースなど様々なメディアで取り上げていただき、受付期間の10日間の間にユニークユーザーが2万人、ページビューが15万PV、大祓へのお申込者数も5,000人という大成功の結果となりました。

 

初回はどうして大成功したのか

2015年夏の初回がどうして大成功したのかということについては、ネットメディアの後押しが一番大きかったと思います。サイトへの流入もニュースメディアからの流入が圧倒的に多く、「おおはらえ」の使用方法などについても詳細なレポートがされていたメディアもあったため、参加するハードルが低くなっていたのではないかと思います。

初回の「おおはらえ」は、サイト上での神棚の販売や神社オリジナルデザインの御守の授与などのサービスを併設していたので、結果的に商品ページへのトラフィックが増え、「ついで」の感覚で大祓神事への参加が引っ張られた感じになりました。

 

後に「すうけい」につながった失敗

そんな大成功した2015年の初回「おおはらえ」ですが、私はひとつ大きな失敗をしてしまいました。御守を頒布するための受付や決済について地方の神社庁から指摘が入ったのです。 私自身も気をつけてサービス設計をしたつもりだったのですが、受託したとは言え、単なる収益事業を営む企業が御守の授与という行為を切り離して行うということには問題があるのではないかという点です。

お祓いをした物品や、祈祷した物品を、さもご利益があるように誤認させて販売することは霊感商法にあたります。私はこの霊感商法にならないように神社のマネタイズを行うにはどうしたらいいか考え、神社とは別法人が御守の受付と決済を行う三店方式を考えたのですが、そもそも御守を通販みたいに売っちゃならんという前提に抵触してしまいました。

しかし、その後、神札や御守を郵送で授与する事が可能で、しかも神社とは別法人が運営することも可能な仕組みを発見しました。それが崇敬会です。崇敬会なら会員の募集から会計や御守の頒布(郵送の代行)までが出来るということに気づき、後の「すうけい」のサービス設計につながったわけです。

 

おおはらえ2年間の推移

爆発的な利用者を得た初回から2年、新法人を設立し本格的に神社支援事業を行うことになりました。途中2回の休止を挟んで、スマホおおはらえから神事に参加した人数とユニークユーザー(UU)とページビュー(PV)の関係はどう推移したのか見てみましょう。受付期間はすべて約2週間です。

2015夏越の大祓
5,076人(21,718UU/146,788PV・EC有)

2015年越の大祓
537人(2,606UU/19,230PV・EC有)

2016夏越の大祓 休止
2016年越の大祓 休止

2017夏越の大祓
459人(1,421UU/5,828PV・EC無)

初回2015夏越の大祓は21,718UUに対して第2回目の2015年越の大祓は2,606UUということで利用者は80%減となりました。これは第2回が御守の授与を廃止したためと考えられます。第3回目となる2107夏越の大祓になるとUU・PVともに数字がガタッと落ちますが、これはECを行っていないためにサイトのページ数が1/30くらいに減ったのと、2年ぶりの開催だったことに加え、お盆期間にかかりメディア露出がほとんどなかったことやメールマガジンの送信が最終日まで出来なかったことが原因と思われます。ちなみにユニークユーザーと大祓神事参加者数のコンバージョン率(CVR・サイト訪問者と申込者の割合)でみると、

2015夏越の大祓CVR 23.37%
2015年越の大祓CVR 20.06%
2017夏越の大祓CVR 32.30%

第3回開催の結果について、母数が違いすぎるので比較検討にはなりませんが、第2回から第3回では2年のブランクが開いているのにもかかわらずコンバージョン率が上がるという現象が見られ、ユニークユーザーは前回比54%なのに対して、コンバージョン数では前回比で85%を出しているという点については、期待されていることの表れなのではないかと考えています。そして、第3回から重複と思われるデータをはじくように設定して値を取得しているので、重複をそのままで進めれば第2回を大きく上回るコンバージョン数となりました。

また、過去3回の開催傾向で大きく異なる点がありました。第1回と第2回はコンバージョンのほとんど(約80%)が、メディア露出のあった期間前半に発生していて、第3回では期間中で日を追うごとにコンバージョンが増えていき、全体数の1/3は最終日に発生していたという点です。これについてはCVRとの関係があると考えています。

 

おおはらえ2017夏の集計結果について

第3回となる「おおはらえ2017夏」の集計結果についてまとめてみます。あらかじめ断っておかなければならないのは、みなさまから寄せられた受付内容については統計に必要なデータの抽出のみを行い、内容については一切見ておりません。集計したCVSファイルから値による判定を行い、重複データについてはカウントしないように集計しています。また、申込者向けに大祓神事挙行スケジュールを送信するアラート用にメールアドレスのみを取得しています。

 

利用者の年齢層 

f:id:kocb:20170824150201p:plain

 

f:id:kocb:20170824150153p:plain

年齢の分布については30代がもっとも多く、次いで50代、20代、40代で合計92%となっています。前回までが40代の利用が圧倒的に多かったということを考えると、神事への参加意識が若い世代に広がっていることがうかがえます。今後のサービス設計においてどの部分を強化していくかという点で、この年令分布は重要な結果と言えます。

 

名前の入力状況

f:id:kocb:20170824150150p:plain

スマホおおはらえにおいて名前の入力というのは大きな意味を持っています。おおはらえサイトがSSLになったとは言え、ECで買い物する以外で個人情報を送信する、しかも罪や穢を送信して祓うという精神的な部分ですから、今回の96%の名前入力というのは第1回、第2回の開催で信頼を得られた結果なのではと考えています。ちなみに過去の開催では名前の入力は50%程度でした。

 

性別について

f:id:kocb:20170824150142p:plain

今回の性別割合の特徴としては、男性の利用が増えてきているという点がいえます。クロス集計の結果を見ると若年層で男性の利用が増え、年齢層が上がるに連れて女性の割合が圧倒的に増えていく傾向がありました。性別の集計結果についてはより皆様に親しんでいただけるような開発を行うための今後のサービス設計に役立てさせていただきます。

 

メールでのお知らせを希望する割合

f:id:kocb:20170824183537p:plain

今回から、みなさまから送られた罪や穢の情報がどのように扱われるのか、その進捗をメールでお知らせするアラートサービスを開始しました。大祓神事が挙行される日程が決まり次第日時をお知らせして、神事の開始時刻には参加者のかたに「スマホのりと」で大祓詞の祝詞(のりと)を奏上してもらおうという企画です。メールアドレスを入力するフォームは過去2回ともにありましたが、登録者は過去最多の人数でした。

https://oharae.jp/norito.html

 

特に気になることの記入

f:id:kocb:20170824150136p:plain

これは申込者の大切な思いが書かれているパートですから、言葉の判定はせず、値があるかどうかの判定のみを抽出して集計しています。たとえば1文字書かれている、2文字書かれているといったことだけを抽出し、全角1文字以上を入力と判定しています。

これについては今回のおおはらえが圧倒的に入力されている方の割合が高く、3回の開催で信頼を得てきたのかと感じています。よく送られてくるご意見として、スマホから文字を送ってなんになるんだ、というのがありますが、普段は言えない、自分の中でも思ってはいけないと封印している思いをどこかに送る行為こそが大切なのであり、大祓という神事におけるコアなのではないかと私は考えています。ですから今回のこの結果は、誰かのお役に立てたのではないかという実感をもって受け止めています。

 

さて、ここまでおおはらえの2年間の歩みや今回の集計結果について書いてきました。今回のおおはらえの進捗についてはメールアドレス登録者さまに随時お知らせしていきます。参加してくださったみなさま有難う御座いました。

次回のおおはらえは今年の年末に行います。受付開始はメールマガジンでお知らせいたしますので、ご希望の方はご登録をおすすめいたします。次回こそは早めにお知らせいたします。(今回はお知らせが遅いとお叱りをいただきました。申し訳ございませんでした。)

oharae.jp

 

 

私たち神社崇敬会の運営する「すうけい」では、神社の崇敬会の設立・運営、会員の募集までトータルでサポートさせていただきます。将来の少子高齢化に備えて氏子減少に対応するために、ネット上での崇敬会の設立をご検討ください。

この記事で書いた崇敬会についての内容は、下記リンクにも詳しく書かれていますので、お時間ございましたらぜひ読んでみてください。

sukei.jp