神社崇敬会の秀島です。
今日は私の夢見る崇敬会による神社ファンディング(資金調達)の理想形についてお話します。
当会(一般社団法人神社崇敬会)は、神社の崇敬会をクラウドファンディング形式で運営しようと試みています。その崇敬会サービスが「すうけい」です。でも、「すうけい」は一般的なクラウドファンディングの資金調達とは一線を画する仕組みを目指しています。それが“やさしい”クラウドファンディングであり、“やわらかな”クラウドファンディングという思想です。崇敬会は日本古来の神社の支援方法であり、それはクラウドファンディングと仕組みがよく似ている、と言うのは前回お話しました。今回は更に踏み込んで、当会が運営する「すうけい」のフィロソフィー(哲学)に少し踏み込んで見たいと思います。前回の記事は以下のリンクから。
クラウドファンディングはメチャクチャ大変
クラウドファンディングとは一般的に起業家と呼ばれる人たちが投資家や出資者を探して資金調達をするのと同じです。必要とする多額の資金を、不特定多数の人から少しずつ集めて「モノ」や「コト」を実現するために活動するのですが、そのプロセスは本当に大変でした。過去に私自身が経営する事業会社でクラウドファンディングによって資金調達した経験があるため、実際に気づいたことを書いていこうと思います。
基本的にクラウドファンディングはCtoCやCGMなどのプロジェクト実行者とサポーターの仲介ビジネスなので、プラットフォームは「場」を提供するだけで、サポーターへの特典の企画や準備、プロジェクトページの作成や、プロジェクトの告知まで実行者がすべて自ら行なわなければいけません。有名なプラットフォームを利用したからと言って、すべてのプロジェクトが同様に扱われるわけではなく、チームメンバーの人数やネームバリューによって、資金が集まるプロジェクトとそうでないものの差が顕著に出てしまいます。
また、一般的なクラウドファンディングは情報の告知・拡散方法がSNSに頼っているために、twitterのフォロワー数やFacebookの友達の数、またプロジェクトで扱う品目や課題・目的の流行性によってメディア露出や資金獲得額に強い影響を与えます。ですから、普段からSNSを活用していない人たちにとっては、まったく資金が集まらないなどの事態が起こりやすく、たとえ社会に有用な製品やサービスを提供しようとしていても、ネット上の交友関係が少ないために埋没することも多くあります。


クラウドファンディングは無駄が多い
前項にも書いたように、一般的なクラウドファンディングは、プロジェクト実行者が自らのネットワークを使って支援者を集めてこなくてはいけません。SNSを使って拡散をお願いし、PR動画を作り、ときには生放送の動画配信をし、友人に拡散をお願いしたり、メディアに対してアピールする。これすべて自分でやらなければいけないのです。これは本当に無駄な時間と労力を要します。
また、プラットフォームに投稿されるプロジェクトには一貫性がなく、地方創生から学生のアート作品の個展開催まで、幅広いプロジェクトが十把一絡げに押し込められています。上記で説明したように、プロジェクトの集客は実行者の人間関係の派生から生まれることが多いので、たとえプラットフォームに集客力があっても、まったく知らない人物に私的なプロジェクトに対して支援の輪が広がるというのもなかなか大変です。それに本当に良いプロジェクトが、聞こえの良い流行りの言葉に負けてしまうのがSNS集客の落とし穴とも言えます。
そして、バラバラの目的を持ったプロジェクトが、それぞれバラバラに告知活動をおこなう。これは本当にものすごい無駄な労力だと思います。


崇敬会もバラバラに運営するのは無駄がある
さて、崇敬会に話を戻しましょう。崇敬会も会員獲得のために告知活動を行なわなければなりません。前記のクラウドファンディングのことを思い出すと、従来からある崇敬会も会員獲得に無駄な労力を使っているのではないでしょうか?
結局は、上図のような感じになりますよね。神社がそれぞれバラバラに崇敬会を設立して運営する。それぞれの崇敬会がバラバラに独自に会員獲得のための努力をする。これは本当に無駄な時間と労力を費やしているのではないかと思っています。
私は思います。全国の神社が連携して崇敬会を運営できたら。。。と。
崇敬会に特化した、努力を必要としない“やさしい”クラウドファンディングを作りたい
当会が運営する「すうけい」では、神社の崇敬会の設立・運営に特化したクラウドファンディング形式の崇敬会プラットフォームを目指しています。サイトの集客は崇敬神社を探している人だけにフォーカスし、当会が告知活動を一手に引き受けますから、神社の方の負担は大幅に削減されます。またサイト利用者は自分の出身地で神社を検索したり、御祭神で検索したりと、崇敬神社と出会いやすい仕組みを提供します。崇敬会の会員獲得のための努力はまったく無いと言っていい素晴らしい仕組みです。
努力しないで支援を募るなんて!と言われるかもしれませんが、クラウドファンディングで支援を募る人は「自ら選んだ」道を進むために支援を募るわけです。一方の「すうけい」は、神社を守らなければいけない宿命を背負った人たちが継続していけるための仕組みを提供することを目的としています。
私たちが目指すのは、全国の神社が何もしなくても続いていけるやさしい世界です。神社は日本の大切な文化でもあります。資金を集めるために氏子総代・宮司や神職の方が奔走したりする必要は、本来無いのではないかと思っています。支え合う文化の新しい形として、“やさしく”て“やわらか”なクラウドファンディングを利用して崇敬会を運営し、新時代の神社の護持運営を目指していこうと思っています。


私たちの目指す、やさしい“やわらかな”クラウドファンディングについてちょっと分かっていただけましたか?
私たち神社崇敬会の運営する「すうけい」では、神社の崇敬会の設立・運営、会員の募集までトータルでサポートさせていただきます。将来の少子高齢化に備えて氏子減少に対応するために、ネット上での崇敬会の設立をご検討ください。
この記事で書いた崇敬会についての内容は、下記リンクにも詳しく書かれていますので、お時間ございましたらぜひ読んでみてください。