すうけいの神社崇敬会ブログ

すべての神社に崇敬会を。初穂料でも玉串料でもない、神社ファンディング「すうけい」一般社団法人 神社崇敬会の活動報告。

人と神社のつながりをファイナンス・コミュニケーション・プロダクトに置き換えて考える。神社崇敬会の三大事業について。

神社崇敬会の秀島です。

昨日のエントリーで当会(当法人)設立の背景や目的、そして三つの事業の概略までについて書きましたが、もう読んでいただけたでしょうか。なに、読んでいないんですか、、、仕方がないです、では、前のエントリーを読んでいなくても理解していただけるよう、当会の根幹である三大事業について、人と神社のつながり・関わり合いを通じて説明させていただこうと思います。

前回、当会の事業は3つの柱で構成されていると書きました。「ファイナンス」「プロダクト」「Webサービス」という構成です。これらは私が勝手に言い始めたことのように受け止められがちですが言葉の表現が違うだけで、実は現状の人と神社の行動フローを紐解くと、三つの要素に置き換えられるということを、分かりやすく解説していきます。

  1. ファイナンス:クラウドファンディング「すうけい」
  2. プロダクト:神棚・神具雑貨プロダクト群「KITOKAMI」
  3. Webサービス:神事参加Webアプリ群「おおはらえ」

前のエントリーを読んでいただいてからのほうが分かりやすいかとも思いますので一応リンクを貼っておきますね。お時間あったらお読みください。では、スタート。

blog.sukei.jp

 

人と神社の行動フロー

まず、人と神社のつながりについて基本的な行動フローを図に描きましたので御覧ください。

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これは一般的な氏子や崇敬者が神社に参拝することを想定した行動フローです。神社に参拝し、神札(御札)や御守を授与していただいて自宅に帰って神札を神棚にお祀りして神棚に参拝する。これが参拝から帰宅後までの参拝フローと言えます。都市部などで最近では住宅事情によって家庭に神棚が無いという場合も多いと思いますが、参拝するという行動は神札を授与されて家庭内で神棚にお祀りするというところまでがワンセット。日々心を新たに御神徳・ご利益に与ろうというのが神社に参拝し神棚に参拝する基本コンセプトです。

 

人と神社の行動フローは神札の流通である

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で、授与された神札は年一スパンで神社に返納して新しい神札を頒布してもらうのが一般的なサイクルです。これによって人と神社の基本的なつながり「神社参拝ルーティーン」が完成します。これは地域コミュニティの氏子制度など、神社が物理的に近い場所にある場合は有効ですね。毎年初詣のときに新年の神札を頒布してもらいに行く行動もこのフローのひとつと言えます。

そして、この「神札の返納」は人と神社の行動パターンを決定づけるものでもあります。毎年、神札を返納する必要があるために神社に参拝に行く。行動の動機づけ、いわば「参拝のモチベーション」です。すごく端折って表現すると、神社に関わる人の行動は、神札を頒布してもらって一年経ったら返納する、という行動の繰り返しだということです。端折り過ぎですね申し訳ない。

人と神社のつながりもまた神札の流通によってつながりをもっているということを覚えておいてください。

 

神社の収入チャネル

ここまで、人と神社の行動は神札の流通を介していると書きましたが、もう少し深く説明するために、少し話が変えて神社の収入チャネルについて説明させてください。 

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神社の収入チャネルは大きく分けて三つあります。

あ、これは私の解釈で分類しているので正確な規定とは違うと思います。私の解釈は当会の事業を説明するために分かりやすいよう解釈していますので、そのあたりはご容赦ください。神社関係者の方はな〜んだそんな話かと思われるかもですが、一般の方にはなるほどという箇所もあるかも知れません。

<参拝>
ここでいう参拝とは、氏子や崇敬者が日々の参拝や神社のお祭りで参拝したときなどを指します。たとえばお賽銭とか、お祭りのときに神札や御守を頒布していただいたときに収める初穂料や玉串料といった収入のことです。

<内祭>
これは氏子や崇敬者の依頼によって神社内にておこなう祈願・祈祷・祓いなどの祭礼による初穂料や玉串料の収入です。初宮参りや七五三、厄払いや商売繁盛の祈願など、氏子や崇敬者が神社に依頼して自ら神社に赴いて祭礼をおこなってもらうことを内祭と呼びます。

<外祭>
これは氏子や崇敬者の依頼によって神職が神社以外の場所に出張しておこなう祈願・祈祷・祓いなどの祭礼による初穂料や玉串料の収入です。地鎮祭や上棟祭、竣工祭、事務所開き、家庭内に神棚をお祀りするときの祓いなどを言います。

規模の大きな神社や知名度のある神社では参拝によってもたらされる収入も大きいと聞きますし、一方、地方の小さな神社では参拝者も少なく内祭の依頼も少ないために、積極的な営業活動を通じて外祭の数をこなしていかなければいけないという話も聞きます。また、立地に恵まれた神社では駐車場の経営や土地建物の賃貸などで収入を安定化させるという話もありますが、宗教活動以外の収入は収益事業とみなされて課税対象となります。

神道における神社という位置づけで純粋な収入といえるのは、参拝、内祭、外祭の三つだと言えます。

 

神社のすべての収入チャネルは神札の授与につながる

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参拝時の人と神社の行動フローについて「神札を頒布してもらって一年経ったら返納する、という行動の繰り返し」だと書きました。これは内祭や外祭など、参拝以外の神社の収入チャネルについても同様のフローが組み込まれています。

図にもありますが、内祭や外祭がおこなわれた後に神札が授与されると思います。このように、人と神社のつながりのすべてのシーンにおいて神札の授与というのが組み込まれていることからしても、これは神社の収入チャネルのすべてにも重要な役割をもっていると言えます。

 

人と神社の行動フローを分解する

ここからが当会の三大事業の説明の核心部分です。前段が長くなってしまい申し訳ないですが、もう少しお付き合いください。

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上図で示している通り、参拝(内祭・外祭時の祭礼)などで人が神社や神職などのインターフェイスに接する行動を取ることを「コミュニケーションの発生」と定義し、参拝・祭礼の後に神札が授与された時をもって「収入の発生(ファイナンス)」と定義します。そして持ち帰った神札を家庭内でお祀りするときに使用する神棚を「プロダクト(神棚)の利用」と定義することで、人と神社の行動フローを分解しました。*1

この考え方がもとになって、ファイナンス・コミュニケーション(Webサービス)・プロダクトによって当会の三大事業が展開されると定めたわけです。

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人と神社のつながりをICTの利用に置き換える

前項では人と神社のつながりをファイナンス・コミュニケーション・プロダクトによって再構成して考えてみましたが、これを当会が標榜するICTの利用という観点で具体的な事業に置き換えてみると下図のようになります。

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<ファイナンス>
参拝・内祭・外祭を含めた諸祭礼で神札の頒布を伴う収入ポイントをファイナンスと定義し、具体的なICT事業としてはクラウドファンディングとしてこれをおこなう事業。

<コミュニケーション>
実際には神事や祭礼は対面で直接行なわなければいけないので、これについてはICT化しません。代わりに、参拝に付随した要素として家庭内での礼拝時に祝詞(のりと)を奏上(そうじょう)する際に利用するアプリや、大祓祭で使用する人形(ひとがた)の送信などにWebサービスを用いてこれをおこなう事業。

<プロダクト>
授与された神札をお祀りして家庭内で礼拝する際に利用する神棚で、新しくリプロダクトされた洗練されたデザインの神棚や、家庭と神社を情報通信網でつないで礼拝情報を共有するIoT化された神棚を提供する事業。

以上が当会の目指す三大事業の骨子です。

 

神社崇敬会の三つの事業

ここまで人と神社の行動フロー分析から事業化のためのセグメント分割まで説明してきました。そして実際に事業化するためにブランドパッケージしたものが下の図になります。

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 冒頭で引用した三大事業について、これで少しはご理解を深めていただけたかなと思いますがどうでしょうか。

  1. ファイナンス:クラウドファンディング「すうけい」
  2. プロダクト:神棚・神具雑貨プロダクト群「KITOKAMI」
  3. Webサービス:神事参加Webアプリ群「おおはらえ」

すうけい
今までにない神社のクラウドファンディング。古来からある崇敬会という仕組みをクラウドファンディングに置き換えて資金調達する今までにないサービスです。初穂料や玉串料でもない、新時代の神社ファンディングでありながら、古来の神社運営手法から逸脱していません。現在参加神社さま募集中です。ぜひご参加ください!

sukei.jp

おおはらえ
神事に親しんでもらうためのWebサービス・アプリ群です。 スマホの加速度センサーを利用して、スマホを振るだけで祝詞が奏上できる画期的な神事アプリ。これまで神社や神事に関心のなかった層にも積極的に訴求し、すうけいへ集客し神社の資金調達を加速します。

oharae.jp

KITOKAMI
いままでにない洗練されたデザインの神棚プロダクト。IoTの利用によって家庭での礼拝情報を共有し、いままでにない参拝エクスペリエンスを体験できる未来の神棚。忘れかけていた日本人の美意識に訴えかける古来建築様式とデジタルアーキテクトの融合。
※IoT化されたスマート神棚は2018年発売予定

kitokami.com

以上、一般社団法人神社崇敬会の三大事業についてご説明いたしましたが、いかがでしたでしょうか。私たちの活動が少しでもみなさんにお伝えできれば幸いです。

 

*1:神札の授与のみによって収入が発生しているわけではないのですが、先にも書いたように参拝・内祭・外祭すべての収入チャネルに通ずるために、このようなまとめ方にしました。